ジョブカードとは?作成のポイントも併せて解説!

就職活動では、自己分析をしっかり行い、アピールをすることが重要です。

そこで有効的に活用していきたいのが「ジョブカード」というツールです。

ジョブカードとは?

厚生労働省の主導で就職支援を行う「ジョブ・カード制度」で使われるのが「ジョブカード」です。

「ジョブ・カード制度」とは正社員経験の少ない求職者の支援を目的に2008年から活用が開始されました。

当初は職業訓練での活用に限定されていましたが、2015年からは幅広い場面で利用できるようになりました。

厚生労働省では、ジョブ・カード制度を下記のように定義しています。

個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進することを目的として、ジョブ・カードを「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力証明」のツールとして、キャリアコンサルティング等の個人への相談支援のもと、求職活動、職業能力開発などの各場面において活用する制度です。

ジョブ・カード制度は、個人が適切にキャリアプランニングを行ったり、職業能力を伸ばしたりするためのツールで、この制度で利用されるのがジョブカードです。

参考:非正規雇用の労働者を雇用する事業主の方へ |厚生労働省
参考:よくあるご質問について|厚生労働省

ジョブカードの作成方法

ジョブカードの作成方法には、以下の3通りがあります。

いずれも厚生労働省の「ジョブ・カード制度総合サイト」を通じて利用できます。作成例も掲載されていますので活用しましょう。

①Web上・ソフトウェアを使う

厚生労働省のHPにあるWebサービス上か、専用のソフトウェアをダウンロードして作成します。

Webサービスを利用するよりもソフトウェアをダウンロードする方が、入力したデータのバックアップを保存できるためおすすめです。

このWebサービスとソフトウェアは、厚生労働省HPで簡単な質問に回答すれば利用できます。

事前に対応ブラウザやパソコンの環境が対応しているか確認してから利用するようにしましょう。

②PDFの様式をダウンロードする

PDFの様式を印刷して手書きで記入します。

誰でも簡単にジョブカードを作成できますが、全て手書きになるため複数の企業に提出する際は、その都度作成しなければならないため非常に手間がかかります。

時間を有効活用するためにはあまりおすすめできません。

③Excelの様式をダウンロードする

ソフトウェアをインストールする方法以外にもExcelファイルを使って作成する方法もあります。

普段からExcelを使っていれば簡単にジョブカードの項目を記入できます。PDFファイルと違い、必要ない項目などを削除するなど自分なりにアレンジすることができます。

共通している項目はそのままで印刷すれば記入する手間も省けますので、複数企業にエントリーする場合でも有効です。

ジョブカードの5種類のシート

現在、ジョブカードは主に次の5種類のシートから構成されています。

①キャリアプランシート

目標とする仕事や職種、興味、関心、強み、将来の働き方などキャリア設計を記入するシートです。

ジョブカードで最初に記入するシートであり、自己分析を客観的に行うことができます。就業経験の有無などによってシートが異なります。

主な記入項目は以下の通りです。

就業経験がある方

  • 基本情報…氏名・生年月日・住所・電話・メールアドレスなどを記入
  • 価値観、興味、関心事項等…大事にしたい価値観、興味・関心を持っていることを記
  • 強み等…自分の強み、弱みを克服するために努力していることを記入
  • 将来取り組みたい仕事や働き方等…今後やってみたい仕事(職種)や働き方、仕事で達成したいことを記入
  • これから取り組むこと等…今後向上・習得すべき職業能力や、その方法を記入
  • その他…自己PRやキャリアコンサルティングで相談したいことを自由に記入

就業経験がない方、学卒者等

  • 基本情報…氏名・生年月日・住所・電話・メールアドレスなどを記入
  • 学校の課程で関心を持って取り組んだこと・取り組んでいること・学校のキャリア教育で実施される科目・プログラム、インターンシップ(正課)への参加・取組状況
  • 学校の課程以外で学んだ学習歴
  • 社会体験その他の活動(サークル、ボランティア活動、正課外のインターンシップ、留学、アルバイト、その他の活動など)
  • その他、「就業経験がある方 」との同項目などを記入

②職務経歴シート

仕事の経験や得られた知識・技能を記入します。

主な記入項目は以下の通りです。
  • 勤務期間
  • 会社名・所属
  • 職名(雇用形態)
  • 職務の内容
  • 職務の中で学んだこと、得られた知識・技能等

職務内容はできるだけ詳しく記入し、実際のエピソードから成長した点などを記入すると、アピールポイントとしても利用できます。

③職業能力証明

免許・資格と学習歴・訓練歴のシートについて記入します。

免許シート

  • 免許・資格の名称・取得期間
  • 免許・資格の実施・認定機関の名称
  • 免許・資格の内容

資格と学習歴シート

  • 期間…最終学歴からの年月を記入します。
  • 教育・訓練機関名・学科
  • 内容…訓練や学習内容の経験が、なぜ職業観に繋がったのかを記入します。

④職務経歴書

上記シートとほぼ同様の内容を記入します。シートの冒頭は志望動機となっており、応募書類としても利用可能です。

主な記入項目は以下の通りです。
  • 志望動機
  • 職務経歴
  • 免許・資格の内容
  • 学習歴・職業訓練歴の内容
  • 活かせる知識・能力・スキル等
  • 自己PR

⑤エントリーシート

これまでに作成したシートを総合した内容です。写真を貼る箇所もあるため、応募書類として有効活用できます。

主な記入項目は以下の通りです。
  • 学歴
  • 学校の課程で関心を持って取り組んだこと・取り組んでいること
  • 学校の課程以外で取り組んだこと・取り組んでいること(サークル、ボランティア活動、正課外のインターンシップ、留学、アルバイト、その他の活動)

ジョブカードの作成ポイント

ジョブカードを作成するには、単純に項目内容を記入するだけでは有効活用できません。

内容が充実したジョブカードを作成すれば評価も高くなりますので、以下のポイントを押さえて作成するようにしましょう。

徹底した自己分析

ジョブカードをキャリア形成や就職活動などに活用するためには、まずは自己理解=自己分析を深める必要があります。

ジョブカードの項目に沿って過去の経験を振り返り、自分の強みと弱みを確認するというように自己分析を行うようにしましょう。

キャリアコンサルティングの活用

ジョブカードは基本的に自分で作成するものですが、中には「書き方がよく分からない」「上手にまとめられない」と感じる方もおられます。

そのような場合は、キャリアコンサルタントに相談してみましょう。

ハローワークでは職業訓練や訓練を受けた後のキャリア形成について、専門家であるキャリアコンサルタントに相談できます。

キャリアコンサルタントに相談することで、自分では気づかない良さやPRポイントを見つけることができます。

キャリアコンサルタントと対面で相談する場合、有料となるものも多く予約が必要ですが、メール相談であれば無料で利用可能な場合もありますので、まずはハローワークの担当者に相談するようにしましょう。

キャリアコンサルタントと相談しながらジョブカードを完成させることで、より精度が高いジョブカードを作成できます。

自分では気づけなかった長所やPRポイントを見つけることができ、自分自身の考えや将来への展望を整理できるだけでなく、自身の可能性を広げられることもできるでしょう。

自己PRを意識する

ジョブカードは応募書類としても活用できます。逆に企業側はジョブカードに記載された内容で採用の可否を判断します。

ジョブカードには事実を記入しなければいけませんが、効果的な自己PRに繋がるような記入を意識することも大切です。

例えば、職歴ではこれまでの仕事期間や内容だけでなく、そこで得たものや、今後その経験やスキルをどう活かしていきたいのか、といった内容を明確に記入することで好印象につながります。

企業側も応募者が持つスキルや能力を、具体的に活用できる手段があれば採用意欲も高まるわけです。

ジョブカードのメリット

現状、ジョブカードの認知度はまだまだ低い状況です。ジョブカードは失業してハローワークで作成するというケースが多いためです。

しかし、ジョブカードの特性を理解することで求職者だけでなく在職者や採用を行う企業側にもメリットがあります。

それぞれのメリットを見てみましょう。

求職者のメリット

応募書類として活用できる

ジョブカードは一般的な選考で使われる履歴書よりも多くの情報を企業に伝えることが可能です。

アルバイトや職業訓練なども含めたこれまでの経験を詳しく記載することで、社会人経験が少ない方でも、様々な場面で培ってきた能力やスキルを客観的に把握することで、企業側に大きなアピールを行う応募書類として活用できます。

キャリアプランの構築に活用できる

実際の就職活動では、ほとんどの企業で「将来の目標」といった「キャリアプラン(職業生活設計)」を問われることになります。

ジョブカードを作成することで、興味のある仕事や働き方、強みといった自分自身について、改めて理解を深めることができますので、キャリアプランを構築しやすくなります。

将来の目標が思い浮かばないという方、キャリアコンサルトと相談しながら自分のキャリアについて考える機会を作ることも可能です。

職業訓練に活用できる

ジョブカードの作成は、職業訓練に活用することも可能です。訓練受講前は、構築したキャリアプランをもとに訓練の必要性を明確にできます。

訓練受講中や訓練受講後は、職業意識の向上や円滑な就職を促進するという自分でも思いつかない効果も期待できます。

在職者のメリット

実務能力を証明できる

就労経験をジョブカードに記載することで、実務能力を証明できます。自分の持っている具体的な経験やスキルを明示しアピールできます。

転職などのキャリア形成に活用できる

ジョブカードは「生涯を通じたキャリア・プランニング」のツールといえます。

作成を通じて、今までの人生だけでなく、これからどのような人生を歩んでいきたいかといったように自身と深く向き合うことができます。

今の自分に疑問を感じた場合、自己の履歴や能力、キャリアコンサルティングの棚卸しができるため、自分の目指すキャリアを明確にできます。

いざ転職を考えた際には、自分の希望を具体的に伝える、転職先企業のミスマッチを防ぐといった効果も期待できます。

企業側のメリット

国から助成金を受けられる場合がある

企業は一定の要件を満たし、在籍している労働者の能力開発やキャリアコンサルティング、職業訓練、求人などにジョブカードを活用することで国から「キャリア形成促進助成金」が受け取れる場合があります。

実習時間に応じた助成や訓練期間中に支払った賃金、座学に要した経費などの一部が助成されることがあります。

参考:お金借りるならどこがいい?現役FPが教える【お金借りるトリセツ】

採用活動で応募者の能力を把握できる

ジョブカードは、履歴書や職務経歴書よりもより詳しく記載されているため、応募者の経験やスキルを把握しやすくなります。

また、通常の履歴書、職務経歴書とは違った観点で経験やスキルを把握することもできます。応募者の適正などもよりよく図ることができます。

ジョブカードのデメリット

ジョブカードには多くのメリットがある反面、次のようなデメリットもあります。

認知度が低い

ジョブカード自体の認知度はまだまだ低いのが実情です。

そのため応募書類として提出を行っても、応募先の企業側がどれほど評価につなげてくれるのかは不明瞭な点も多くなっています。

キャリアコンサルタントの相談が有料となる場合も

ジョブカードは自分自身で作成するツールですが、キャリアコンサルトへ相談をしながら作成していくことも可能です。

但し、キャリアコンサルタントへの相談を対面で行う場合、有料となる場合が多くなっています。

利用する機関などによっても異なりますが、民間のキャリアコンサルタントを利用する場合、5,000円~1万円程度が相場とされています。

雇用・能力開発機構都道府県センターに設置されている「キャリア形成支援コーナー」やハローワークの「キャリア形成相談コーナー」など、無料相談可能な機関もあります

可能であればこのような無料で活用できる機関を利用していきましょう。

作成に手間がかかる

ジョブカードでは複数のシートに様々な情報を記入していかなくてはいけません。その分、手間と日数が必要になります。

これまで自己分析の機会が無かった方などは、より手間が必要となるでしょう。数日掛かることもあるでしょうから、計画的に作成を進めるようにしましょう。

まとめ

就職活動だけでなく、自己のキャリアプラン形成にも役立つジョブカード。しかしまだまだ認知度が低く、実際には職業訓練の場で利用されるなど、活用の場面が限られています。

作成項目も複数あり複雑ですので、まずはハローワークなどの無料サポートで相談していくことがおすすめです。

「よく分からない」という方も、まずは書式を手に取って自己を見つめ直していくことから始めましょう。

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