企業から寄せられた声(文字情報)

坂田砕石工業株式会社

会社概要

所在地: 岡山県久米郡久米南町
業種: 製造業(砕石)
資本金: 1,500万円
従業員数: 29人
URL: http://sakatasaiseki.com/

訓練概要

コース名: 砕石製造現場従事者育成コース
職種: 砕石製造
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成30年4月~6月
種別: 有期実習型訓練(キャリアアップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

砕石製造プラントの一部
砕石製造プラントの一部

 当社は、昭和40年5月に個人企業として創業しました。昭和48年6月に現在の株式会社に組織変更し、平成27年5月には創業50周年を迎えました。
 業務の内容は、①砕石の製造及び製品管理(品質の安定と、粒度や粒径など様々な観点からのベストな製品の研究開発)、②産業廃棄物の中間処理(コンクリートとアスファルト廃材を砕石加工しての再生骨材の製造、提案)、③輸送業務(輸送機動力を生かし、お客様の迅速な業務遂行、コストダウンに貢献)です。
 建設事業に必要な骨材は、もともとは川の砂利や海の砂を採取したものを主としていました。しかし、これらは、自然界の生態系や景観などに大きく影響を与えます。
 当社が取り組んでいる採石業では、地下の岩石を採取して加工し、自然産物の代替となるものを製造しています。当社の業務は社会の発展が持続していくために必要なものだと認識し、「未来を見つめ、自然と社会の理想的な調和」をモットーにして、「お客様」と「地域」「社員」とともに飛躍する会社を目指して努力してきました。
 今後も、当社の持つノウハウを安定的に維持・発展させ、継承していくためには、人材の確保と育成が重要になります。しかしながら、工場勤務の職場環境は厳しく、特に夏場の現場作業などがあるとの理由から、中途退職者が多いという問題を抱えていました。
 砕石機械の整備や重機・運搬機の操作には危険が伴いますので、一定の訓練期間が必要になります。このようなことから、訓練を実施することによって、人材の確保と併せて定着率を向上させるために何か良い方法はないものかと苦慮していました。
 こうしたときに、津山商工会議所の岡山県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方が当社を訪問し、ジョブ・カード制度の仕組みについて説明してもらうとともに、人材の育成・確保に有効だという有期実習型訓練の活用を勧められました。
 このため、具体的な取組方法について相談したところ、訓練計画や申請書類の作成などについては、きめ細かな指導を受けることができるため、安心して取り組めるということでしたので、有期実習型訓練を実施することにしました。  
 

2.具体的な取組内容

 訓練生の仕上がり像を考慮し、訓練期間は、平成30年4月2日から7月2日までの3カ月間。この間に指導する内容は、制度普及推進員の方のアドバイスを受けながら、訓練カリキュラムに盛り込みました。訓練生は、制度普及推進員の方にキャリアコンサルティング(ジョブ・カードを活用した面談)を実施してもらい、訓練生としての要件を満たしていたことから、有期契約の社員として勤務していた21歳と30歳の2人の男性を選定しました。訓練コースの名称は「砕石製造現場従事者育成コース」とし、講師と訓練の担当者は、工場長と副工場長、総務課長の3人が担当しました。
 訓練カリキュラムに盛り込んだOJT(工場実習)は240時間で、砕石製造と砕石機械の整備・点検、重機の整備・点検、産業廃棄物・一般廃棄物の処理作業、工場内の重機・ダンプの運転を実施しました。また、60時間のOff-JT(学科)では、オリエンテーションと安全衛生、職業能力基礎実習、能力評価を実施しました。特に、砕石製造の技術や技能、安全作業を習得させるだけではなく、職業意識の啓発を図るとともに、各部署との連携を図りながら、有期実習型訓練をスムーズに実施できようにすることを目標として取り組みました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

Off-JT(学科)受講の様子"/
Off-JT(学科)受講の様子

(1)訓練日誌については、単に感想を記入するのではなく、有期実習型訓練を受講して習得できたことに加え、習得できなかったことも具体的に記入する必要がありますが、この記入の仕方の指導に苦労しました。
 訓練日誌には毎日、細めに目を通し、形式や記載内容が不十分な場合は、その都度、訓練生に伝えて記入のやり直しを指導しましたが、有期実習型訓練を実施する前に十分に説明し、訓練生に理解してもらうことが重要だと思いました。

(2)OJT(工場実習)の講師は、工場長と副工場長が務めましたが、訓練の担当者自身が多忙だったことから、訓練時間を確保するのが大変でした。
 有期実習型訓練の実施を予定していても、当日の出荷状況などによって訓練時間の変更を余儀なくされることがありましたので、余裕を持った訓練計画を作成することが大切だと痛感しました。

(3)Off-JT(学科)の講師は、外部の教育訓練機関などに頼むこともできますが、今回の有期実習型訓練では、全て社内で対応しました。工場長と総務課長が項目を分けて担当しましたが、教科の選定や教材の作成に手間取りましたので、無理のない時間配分にすることと教える順序には工夫が必要だと思いました。
 また、工場勤務の社員は、これまでに短期間で離職するケースがみられましたので、将来の人生設計や長期間勤務することの利点について説明するなど、テーマについても工夫しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 3カ月間の有期実習型訓練を終了した後の感想は、以下のとおりですが、制度普及推進員の方には、申請書類(訓練計画や訓練カリキュラムなどを含む)の作成からキャリアコンサルティングの実施、訓練中のアドバイス、ジョブ・カードを活用した能力評価に関するアドバイス、訓練日誌の記載内容の確認、人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)の支給申請に関するアドバイスなどの全般に関して当社を何回も訪問し、懇切丁寧な指導をしてもらったことから、無事終了できましたので、非常に感謝しています。

(1)訓練生の変化と成長
 有期実習型訓練を実施したことによって、業務全般について必要となる基本的な知識や技能を身に付けさせることができましたので、能力がレベルアップし、当社が求める人材像にまで成長しています。
 訓練生は2人ともまだ若いですが、今年の猛暑の中でも1日の欠勤もなく勤務しており、先輩社員たちからも可愛がられていますので、入社当初よりもたくましくなったと思います。

(2)訓練生とのコミュ二ケーション
 有期実習型訓練を通じて講師を務めた先輩社員との人間関係が構築され、安心して勤務できる環境をつくることができました。
 職場環境が厳しいことに変わりありませんが、有期実習型訓練を実施したことによって、若手社員の離職の防止につながるのではないかと期待しています。

(3)勤務意欲と勤務態度の向上
 有期実習型訓練の終了後に正社員にするための基準(職業能力証明〈訓練成果・実務成果〉シート〈企業実習・OJT用〉に記載した職務遂行のための基準)を訓練を実施する前に2人の訓練生に見てもらい、当社が求める人材像を明確にしたことによって、勤務意欲と勤務態度の向上につながりました。

(4)財政的な支援
 有期実習型訓練の終了後に受給した人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)によって訓練にかかった経費負担を軽減できましたので、当社にとっては、財政面でプラスになりました。

追 記

 この原稿は、津山商工会議所の岡山県地域ジョブ・カードサポートセンターが平成30年9月26日に津山商工会館で開催した「ジョブ・カード制度」企業説明会での坂田砕石工業(株)の事例発表の内容を基にして事務局がとりまとめたものです。
  

(平成31年1月現在)

有期実習型訓練の概要

PDFダウンロード

有期実習型訓練の概要