企業から寄せられた声(文字情報)

金秀商事株式会社

会社概要

所在地: 沖縄県中頭郡西原町
業種: 小売業
資本金: 1億円
従業員数: 3,800人
URL: http://kanehideshj.com/

訓練概要

コース名: スーパーマーケット水産物総合実施コース(鮮魚)
職種: 販売員
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成29年10月~30年3月
種別: 有期実習型訓練(キャリアアップ型)
※上記のコースを含めて6つのコースを実施し、20人の訓練生のうち、13人を正社員採用。

1.制度の活用に取り組んだ目的

沖縄県中頭郡西原町にある社屋
沖縄県中頭郡西原町にある社屋

 当社は、昭和58年の創業以来、36年間にわたって「タウンプラザかねひで」(食品スーパー)の店名のもと、「より便利に、もっと身近に地域の皆様とおつきあい」とのスローガンを掲げながら、地域に根差した店づくりを行ってきました。現在では、沖縄県内に58店舗を展開しています。
 特に、「ご家庭の冷蔵庫代わり」を基本コンセプトとして、豊富な生鮮食品をはじめ、暮らしに必要な商品を数多く取り揃え、「価格の安さ」と「鮮度の良さ」「快適なサービス」をお客様に提供してきました。
 これまでは、スーパーマーケットの事業が主体でしたが、最近ではリゾート部門を加え、ゴルフとコンドミニアムの「かねひで喜瀬カントリークラブ」とリゾートホテルの「かねひで恩納マリンビューパレス」「かねひで喜瀬ビーチパレス」という3つの施設の運営によって、沖縄県を訪れる観光客の方々に充実したリゾートライフを満喫してもらえるように努めています。
 このように、当社の事業は多岐にわたっていますので、「人材」を「人財」にする社員教育の大切さを実感していました。
 従来は、現場の店長や所属長の推薦によって、非正規社員(パートやアルバイト)の中から候補者をあげてもらい、面接試験を実施して社員に採用してきました。しかしながら、社員として採用すると、当社が期待していたこととはギャップがありました。パートやアルバイトとしては良かったのですが、社員としては物足りないものがありました。このため、本人たちが興味があることはもちろん、苦手なことも含め、当社が求める知識や技術を身に付け、スキルアップして社員になってもらいたいと考えていました。
 こうしたときに、当社の社員の知人が那覇商工会議所に設置している沖縄県地域ジョブ・カードセンターに勤務し、制度普及推進員として、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用する企業を支援していることを知りました。早速、この制度普及推進員の方に連絡し、人材の育成に役立つと聞いていた有期実習型訓練の仕組みや実施方法、申請方法などについて説明してもらいましたので、一気に話が進みました。このようなことから、沖縄県に根差した企業として、地域の皆様に貢献できる「人財」を育成したいという想いから有期実習型訓練を実施することにしました。  
 

2.具体的な取組内容

Off-JT(座学等)の実施風景(6つのコースの20人)
Off-JT(座学等)の実施風景(6つのコースの20人)

 今回、同じ時期に実施した有期実習型訓練は、以下の6つのコースでしたが、ここでは、1番目の「スーパーマーケット水産物総合実施コース」についてご紹介します。

(1)スーパーマーケット水産物総合実施コース(鮮魚、訓練生:1人)

(2)スーパーマーケット水産物調理加工販売コース(鮮魚、訓練生:3人)

(3)スーパーマーケット販売総合業務実践コース(総合職、訓練生:6人)

(4)スーパーマーケットチェッカー総合業務実践コース(レジ、訓練生:6人)

(5)ゴルフ場スタッフ養成コース(ゴルフ、訓練生:1人)

(6)ホテルサービス実践コース(ホテル、訓練生:3人)


 有期実習型訓練を実施するための訓練カリキュラムと職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート(企業実習・OJT用)、訓練計画予定表などの作成に当たっては、制度普及推進員の方から提供してもらったモデル例を参考にしましたので、非常に助かりました。
 訓練期間は5カ月間とし、「調理加工業務」と「発注・在庫管理業務」「接客・販売業務」「人材育成業務」を内容としたOJT(実習)は330時間(各部門や職種で訓練の内容や目標、成果を決め、社内での業務のレベル感が合うように計画しました)、外部の教育訓練機関で実施するOff-JT(座学等)は122時間とし、合計では452時間の有期実習型訓練としました(詳細は、別添の「有期実習型訓練の概要(訓練カリキュラム)をご参照)。
 訓練の受講希望者は、各店舗の店長に有期雇用の契約社員の中から推薦してもらったうえ、制度普及推進員の方が実施したキャリアコンサルティング(訓練の受講希望者との面接)によって、訓練生を選定しました(6つのコースの合計では、20人)。
 OJT(実習)の指導者は、各店舗の店長と総括責任者、先輩社員がそれぞれ務め、1人の訓練生に対して3人から5人までの指導体制(6つのコースの合計では、約100人)にしました。
 有期実習型訓練を開始する前は、制度普及推進員の方を講師とした「訓練日誌についての説明会」を開催し、訓練日誌の重要性を理解してもらいましたので、訓練生のモチベーションも向上しました。また、訓練の開始後の毎週火曜日には、制度普及推進員の方に当社を訪問してもらい、訓練生の1週間分の訓練日誌の記載内容をチェックして指摘されたことは、改善するように訓練生を指導しました。
 Off-JT(座学等)は、「社内の訓練の担当者の負担を軽減できる」「経験が豊富なことから、当社が実施する訓練に合った講師を選定してもらえる」「研修内容を提案してもらえるので、安心感が生まれる」「長期的に教育を続けることができる」といった理由から、外部の教育訓練機関に委託し、「職業能力基礎演習(ビジネスマナーなど)」と「チェックアウト業務実用会話(英語と中国語)」「パソコン(ExcelとWard、powerpoint)基本実習」「高齢者の対応知識」について訓練生に学んでもらいました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社では、有期実習型訓練を実施するのは初めてでしたので、申請書類の作成が大変でした。しかし、制度普及推進員の方に記載内容をチェックしてもらい、懇切丁寧な指導を受けたことによって、沖縄労働局の助成金センターの窓口では、申請書類を修正してほしいといった指摘もなく、1回で申請することができましたので、とても助かりました。
 訓練を実施するうえで苦労したことは、現場で欠員が出たことでした。このため、訓練の指導者以外の社員が全面的にサポートしたことによって現場での連帯感が生まれたうえ、訓練生のやる気もアップしました。
 また、OJT(実習)の指導者は、担当する業務以外に指導業務が増えましたので、負担が大きかったようです。このような状況でも、日々細かく指導したことによって訓練生のスキルが少しずつ向上したことから、会社としての生産性がアップし、現場での業務のレベルも均一化しました。
 訓練日誌については、作成と管理が大変でしたが、制度普及推進員の方のチェックとアドバイスがあったほか、訓練の指導者と訓練生への声がけを徹底しましたので、訓練の指導者と訓練生との間の距離が縮まったうえ、訓練生の文章力も向上しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回、有期実習型訓練を実施した効果は、以下のとおりです。

(1)社員と訓練生との能力のギャップが小さくなった。

(2)社員と訓練生とのコミュニケーションが円滑になった。

(3)訓練生が仕事に対して意欲的になった。

(4)海外からのお客様に対しても、積極的に関わるようになった。

(5)訓練生は、当社が求める社員像に近づいた。


 なお、訓練生から寄せられた感想は、以下のとおりです。

(1)有期実習型訓練を受講したことによって、これまで以上に自分自身が成長できたと思います。苦手な分野の仕事でもできるようになりましたので、この訓練を受講して本当に良かったと思います。

(2)5カ月間の有期実習型訓練を通じて、様々な知識を習得できました。「知って対応する」のと「知らずに対応する」のとでは、結果が全く違ってくると思います。訓練で習得した知識を店舗での業務に活かせるようにしていきたいと思います。

(3)有期実習型訓練は、全体的に充実した内容でしたので、すぐにでも店舗での業務で使えることばかりでした。

追記

 この原稿は、那覇商工会議所の沖縄県地域ジョブ・カードセンターが平成30年10月12日に沖縄産業文化センターで開催した「ジョブ・カードフェア」での金秀商事㈱の事例発表の内容を基にして事務局が取りまとめたものです。

(平成30年11月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要