企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社ヤスオ畳店

会社概要

所在地: 兵庫県神戸市
業種: 畳・襖・障子・網戸業務全般(クロス工事、内装リフォーム工事)
資本金: 300万円
従業員数: 11人
URL: http://yasuotatami.com/

訓練概要

コース名: 畳・襖・障子等施工コース
職種: 畳・襖・障子等の製作従事者
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成29年4月~9月
種別: 有期実習型訓練(キャリアアップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

神戸市にある社屋の全景
神戸市にある社屋の全景

 当社は、昭和25年に個人企業として創業し、平成8年に有限会社に組織変更しました。現在では、3代目の私が社長として、畳や襖の交換、張り替え工事、畳販売などの社業を受け継いでいます。「ヤスオ」という会社の名称は、創業者(私の祖父)の苗字の「安尾」からとったものです。
 住宅事情やお客様のニーズが変化している状況のもと、昔ながらの畳を使用した和室の部屋が減少しています。しかしながら、マンションや戸建ての家屋でも、和室(畳や障子類を使用した部屋)は必ずあります。「そうであれば、商機があり、そこに創意と工夫があれば、商いは成り立つ」と考えて、日々、営業などの活動をしています。お蔭様でホームページでの情報提供や「三代目」という老舗ブランドもあったことから、神戸市内はもとより、関西一円からの注文や問い合わせがあります。
 一方では、「畳や襖、障子の職人」といわれる方々が年々減少しています。このため、当社としても、将来に向けての人材の育成は急務と考えていました。
 当社では、これまでハローワークの求人票を利用して求人を募集してきましたが、応募者がありませんでした。仮に入社が決まったとしても、「一人前の畳職人」の育成には時間がかかりますから、すぐに退職してしまうということが何回も続いていました。
 そのようなときに、神戸商工会議所から送付されたDMを見たところ、人材の育成に有効だという有期実習型訓練のことを知りました。早速、同商工会議所に設置されている兵庫県地域ジョブ・カードセンターを訪問し、そこの制度普及推進員の方から有期実習型訓練の内容や実施方法、訓練の終了後に支給される助成金などについて説明してもらいました。
 その説明を聞いたところ、「従来のようなその場その場のOJT(実習)だけでは人材を育成できない」ということに気付きました。加えて、OJT(実習)のみならず、Off-JT(座学等)も計画的、かつ段階的に実施し、教育訓練を体系的に制度化することの大切さを痛感しましたので、有期実習型訓練を実施することにしました。  
 

2.具体的な取組内容

 訓練の指導者は、社長の私のほか、1級畳技能士の資格を持った先輩社員の2人が務め、訓練生は非正規の2人の社員としました。
 訓練期間は6カ月間とし、500時間のOJT(実習)と80時間のOff-JT(座学等)の合計580時間の有期実習型訓練としました。訓練の内容は、畳施工と襖施工、障子・網戸施工の3つの分野に分け、それぞれ1人ずつの訓練の指導者を配置しました。また、OJT(実習)とOff-JT(座学等)の訓練計画予定表を作成し、毎月末に進捗状況を確認しながら訓練を進めました。
 訓練生に毎日記入させた訓練日誌は、学んだことが明確になり、振り返ることによって疑問点も浮かびますので、スキルアップを図るためには非常に有効でした。また、訓練の指導者も、テキストやサンプル集を活用したことによって、各分野の基本的事項を再認識できましたので、先輩社員としての意識改革にも役立ちました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 訓練カリキュラムの内容を所定の様式に落とし込むときは、記入方法が全く分かりませんでしたが、制度普及推進員の方にサンプルを提示してもらったことにより、スムーズに作成することができました。
 他の申請書類についても、不慣れなことから不明なことが数多くありましたが、懇切丁寧に教えてもらいましたので、非常に助かりました。私どものような中小企業では、毎日、仕事に追われて時間をなかなかとれませんでしたので、本当に感謝の一言です。
 こうしたことを契機に、夜遅くまでの幹部同士の話し合いによってOff-JT(座学等)用のテキストを作成し、それを活用することができました。

4.制度の活用による具体的な効果

OJT(実習)での「畳施工」の様子
OJT(実習)での「畳施工」の様子

 今回実施した有期実習型訓練は、様々な効果がありましたので、以下に列挙します。
 

(1)訓練の指導者の意識改革に役立った(日々の繰り返しによる業務の重要性の再認識、訓練の指導者としての意識の再確認)。

 

(2)有期実習型訓練を計画的に実施したことによって、訓練生のスキルアップを確実に図れた。

 

(3)有期実習型訓練の実施を通じ、訓練生の考え方や行動力、コミュニケーション能力などが分かった。

 

(4)他の従業員に職業能力証明シートを活用した。また、助成金制度を活用できた。

 

(5)雇用契約書や就業規則の作成など、労務管理制度を確立できた。

 なお、元訓練生(現正社員)から寄せられた感想は、以下のとおりです。
 最初は期待と不安で一杯でしたが、6カ月間の訓練を進めていくための訓練カリキュラムや訓練計画予定表が事前に提示されたことから、先々の予定が分かり、安心感がありましたので、当初の不安が解消されました。
 また、有期実習型訓練の実施によって、スキルアップが確実に図れたと思いました。

(平成30年9月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要