企業から寄せられた声(文字情報)

植村株式会社

会社概要

所在地: 京都府京都市
業種: 卸売業・小売業(カバン手芸用バッグパーツの製造販売)
資本金: 1,000万円
従業員数: 33人

訓練概要

コース名: 営業事務員養成コース
職種: 営業支援業務
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成27年3月~6月
種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

京都市にある会社の外観
京都市にある会社の外観

 当社は、明治35年(1902年)に京都で創業した116年の歴史を持つ会社です。
 長らく紐の製造メーカーとして活動してきましたが、市場の衰退化に対応し、現在では、主軸の市場を手芸に移して「INAZUMA」というブランド名を掲げ、バックパーツのメーカーとして市場をリードしてきました。こうしたブランド戦略と継続的な新商品の開発によって、厳しい環境のもとでも売り上げを伸ばしています。
 会社の次のステップとしては、医療・介護市場に事業を展開し、「針を使わない縫い付けキット」のビジネスモデルによって、京都商工会議所が3年前に実施した「第6回ビジネスプランコンテスト」で認定されるなど、活動のフィールドを広げています。
 これまでに社員を採用するときは、ハローワークや有料の求人サイトで募集してきましたが、当社を訪問した京都府地域ジョブ・カードセンター(京都商工会議所に設置)の制度普及推進員の方に求人に関する悩みについて相談したところ、ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を紹介してもらいました。
 この制度普及推進員の方の説明を聞くと、①新入社員教育のカリキュラムを事前に検討できる(入社する社員の側からみて、教育制度がしっかりしている安心感がある)、②人材確保に関わる費用負担を軽減できる(求人広告費や人材が育つまでの教育費などをカバーできる)、③キャリアコンサルティングを実施できる(外部の立場で、訓練生の候補者の話を聞いてもらうことによって、会社側だけでは見えない一面を知ることができる。どのように接していくことが訓練生の候補者にとって良いかが分かる)というメリットがあることが分かりましたので、有期実習型訓練を実施することにしました。  
 

2.具体的な取組内容

針を使わない高齢者向けの手芸商材
針を使わない高齢者向けの手芸商材

 有期実習型訓練の目標は、職業人としてビジネスマナーを身に付け、営業系の業務を支援できる知識を習得するとともに、パソコンを活用できる技能を身に付け、業務を正確に行う能力を習得することとしました。また、訓練生の仕上がり像は、営業スタッフの業務を支援できるように、お客様からの問い合わせに速やかに対応し、見積書や納品書などを滞りなく作成できるようになることです。
 このようなことから、訓練期間は3カ月間、OJT(実習)とOff-JT(座学等)を組み合わせた300時間の有期実習型訓練とし、訓練の指導者は、先輩社員(1人)が務めました。また、Off-JT(座学等)は、学科、実技のいずれも社内で実施することにしました。
 このうち、270時間のOJT(実習)は、営業支援業務と営業事務実習、内勤業務とし、Off-JT(座学等)の学科(20時間)としては、職業能力基礎講習と営業基礎、営業事務基礎、安全衛生、能力評価を実施し、10時間の実技では、パソコン基本実習とシステム操作基礎などを実施しました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 今回の有期実習型訓練を実施する前までは、研修プログラムがありませんでしたので、仕事をしながら慣れてもらうというように、OJT(実習)中心の完全な実地訓練でした。
 このため、教育プログラムをつくった経験がなかったので苦労しましたが、制度普及推進員の方からは、訓練カリキュラムのひな型を提示してもらうなど、非常に助かりました。
 また、京都労働局に提出する申請書類の作成に当たってのアドバイスをしてもらい、訓練の実施中は訓練日誌の記入の仕方など、終了後は助成金の支給申請手続きについても指導してもらいましたので、感謝しています。

4.制度の活用による具体的な効果

合成皮革や本皮などのバッグパーツ
合成皮革や本皮などのバッグパーツ

 有期実習型訓練を実施し、終了後に訓練生を正規雇用した感想は、下記のとおりです。

(1)終了してから3年が経過しましたが、営業事務(受注入力、出荷管理)で採用した元訓練生は、現在も勤務しています。

(2)元訓練生は、現在では経営の方針を決める「経営会議」の中心的なメンバーとして活躍しており、当社の将来を担う人材として成長しています。

(3)将来像をしっかりと共有し、他の社員とこまめに情報交換し、社内改革(「これまでのやり方が正しい」という認識の転換など)のときは一緒に頑張ってもらいました。他人事ではなく、お客様の立場で考え、行動していますので、「やりがい」と「責任感」が芽生えています。


 今後は、「人材の定着化」と「働きたい、入社したい会社」の2つの実現に向けて下記に取り組んでいくことにしています。

(1)生産管理部門での「属人化」からの脱却「標準化」計画
 昔ながらのやり方が多いため、「人」に仕事がついているので、人が代わるリスクが大きく、引き継ぎのレベルが高いことから、誰でも一定の仕事ができるような環境を整える。

(2)魅力ある企業への成長
 ①社内、社外への挑戦を続ける姿勢と社員の参加で仕事をやりがいあるものにする、②仕事を任せることにより、積極性と責任感を生む社内の体制を強化する、③時代に合わせた就業規則や社内制度の改定によって働きやすい環境を整備する。


(平成30年3月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要