企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社クレバー

会社概要

所在地: 京都市右京区
業種: 建設業
資本金: 1,000万円
従業員数: 13人
URL: https://www.b-mall.ne.jp/t/2601/758288/

訓練概要

コース名: ①リノベーション・リフォーム営業職養成コース
②クロス張り替え職人養成コース
職種: ①営業員
②内装工
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: ①平成28年9月~12月
②平成28年10月~12月
種別: ①有期実習型訓練(キャリアアップ型)
②有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

クロス張り替え職人養成コースのOJT
クロス張り替え職人養成コースのOJT

 当社は、「Total Interior Junzo」という名称の個人企業として平成6年4月に創業し、売り上げが徐々に増加してきたことから、平成13年5月に株式会社に組織変更しました。社名の「クレバー」という英語には「巧い」「賢い」という意味があり、褒める意味で使用されることが多いことから、「周りの方々からそのように思ってもらえる会社でありたい」という願いを込めて名付けました。
 事業内容は、壁紙や床材、カーテン、ブラインドを主な商材とした請負中心の内装仕上工事業で、分かりやすくいえば、「町のクロス屋さん、壁紙屋さん」です。売り上げの構成では、壁紙がほとんどで、床ではカーペットや長尺シート、塩ビタイルを貼り、窓ではカーテンやブラインド、ロールスクリーンなどの取り付けを行っています。
 京都府下の内装仕上業界には、1,500社程度の企業があります。これを企業の規模でみると、個人企業が7割強、従業員数が2人から5人の企業が2割程度で、10人以上の企業は1%にも満たないといわれています。ほとんどが家族経営のため、業界で人材を育成したり、人材の育成に取り組める環境ができていないのが実情です。
 当社では、「必要とされる会社を目指す」「必要とされる人を目指す」という経営理念のもとで事業を展開し、少しずつ業容が拡大したことに伴って社員も増加しましたが、人材の育成プログラムがありませんでしたので、社員がなかなか定着しない状況にありました。
 このため、経営者の会などに参加したほか、京都商工会議所の青年部に入会するなど、いろいろな業種の方々の意見を聞いたりしてきました。京都商工会議所を訪問したときにジョブ・カード制度の有期実習型訓練のチラシがありましたので、この訓練を実施する企業を支援している京都府地域ジョブ・カードセンター(京都商工会議所に設置)を訪ね、そこの制度普及推進員の方に制度の内容について説明してもらいました。その説明を聞くと、定着率の向上や人材の育成体制の構築に役立つことが分かりましたので、早速、実施することにしました。

2.具体的な取組内容

訓練生(前方の2人)と先輩社員
訓練生(前方の2人)と先輩社員

 有期実習型訓練は、①リノベーション・リフォーム営業職養成コース(訓練生は男性)と②クロス張り職人養成コース(訓練生は女性)の2つに分けて同じ時期にそれぞれ3カ月間ずつ実施しました。
 2人の訓練生は、京都府が運営する京都ジョブ・パーク(人材紹介機関)などから紹介してもらいました。また、訓練の指導者は、コースごとに1人ずつ配置し、先輩社員に担当してもらいました。
 リノベーション・リフォーム営業職養成コースでは、営業活動実務と営業管理実務、リフォーム業務の管理を内容としたOJT(実習)を290時間、Off-JT(実習等)は、学科としての職業能力基礎講習と営業基礎管理、営業事務基礎、安全衛生など、実技としては営業技法基本演習とロールプレーン演習、作業工程演習を40時間、合計で330時間実施しました。
 また、クロス張り職人養成コースは、OJT(実習)が290時間で、段取り作業をはじめ、接着剤の選定と調合、接着剤塗付け機操作、安全衛生作業、品質・工程維持の教科を設定し、Off-JT(座学等)は、学科としての職業能力基礎講習と知識研修(映像を用いた研修)、安全衛生など、実技としてはクロス貼り付け工法と安全衛生作業を40時間、合計で290時間としました。
 これらの実施に当たっては、京都府ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方に当社の業務内容を説明し、3カ月間で習得してほしい知識と技能を訓練カリキュラムに盛り込んで提案してもらいました。その後、この訓練カリキュラムを社内でブラッシュアップし、完成に至りました。
 また、訓練の期間中は、制度普及推進員の方から訓練日誌の記入方法などについてのアドバイスをしてもらったことに加え、助成金の支給申請に必要な手続きなどのアドバイスもしてもらいましたので、非常に助かりました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 2つのコースとも、現場での仕事が多かったために、Off-JT(座学等)をスケジュールどおりに実施するのが難しかったと思います。このため、現場での仕事の時間を調整するなどの工夫をしました。
 また、訓練生には、毎日、訓練日誌に記入してもらうのが大変でしたが、制度普及推進員の方のアドバイスを踏まえ、訓練日誌を提出してからの帰宅を奨励しました。

4.制度の活用による具体的な効果

 有期実習型訓練を実施し、2人の訓練生を正社員として採用した経営者としての感想は、以下のとおりです。  
  • (1)未経験者であっても、長い目で見て、訓練を実施したことによって、当社のニーズに合った人材を育成できましたので、定着率の向上につながったことです。
  • (2)現場が忙しくても、訓練カリキュラムに沿った指導ができましたので、社内での人材の育成体制の構築につながったことです。従来は、人材の育成プログラムがありませんでしたので、未経験者を採用した場合は、入社から数日間は放置状態であり、すぐに現場に同行させていました。習得すべき具体的な目標を会社として設定することもなく、本人の努力に依存してきましたが、有期実習型訓練を実施したことにより、入社直後から、「何を習得すべきか」「どのような訓練を実施するのか」ということを提示できるようになりました。
 また、有期実習型訓練を修了し、今年の1月から正社員になった男性(営業部)と女性(クロス職人)からは、以下のような感想が寄せられています。  
  • (1)業界全体のことや業務については、時間をかけて知ることができた。
  • (2)訓練カリキュラムを通じ、どのような仕事をするのか、どのような技術や知識が必要なのかが分かった。
  • (3)毎日、訓練日誌を詳細に記入することに慣れるまでが大変だった。
当社のような中小企業にとっては、従来型の人材の育成方法では今後、事業の継続すら危ないと思います。こうしたことから、必要とされる企業、必要とされる人になるため、これからも新たな人材の確保や教育、育成に向けた職場の改善にチャレンジし続けていきたいと思っています。
 また、私たちの業界は、女性がもっと活躍できる業界に変わっていくべきだと思いますので、当社に「女性の職人チーム」をつくりたいと考えています。

<事務局追記>

 この原稿は、平成29年2月20日に京都商工会議所で開催された「ジョブ・カード制度普及推進フェア」での「積極的人材育成へのチャレンジ」と名付けた㈱クレバーの代表取締役・山本潤三氏の事例発表の内容を基にして事務局がとりまとめたものです。
 

(平成29年4月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要

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