企業から寄せられた声(文字情報)

株式会社木の里工房 木薫(もっくん)

会社概要

所在地: 岡山県西粟倉村
業種: 林業・木工品製造販売
資本金: 2,000万円
従業員数: 14人

訓練概要

訓練コース: 木工品製作者育成コース
職種: 木工品製作
訓練生数: 2人(終了後に2人とも正社員採用)
期間: 平成25年6月~26年7月
訓練種別: 若者チャレンジ訓練(キャリア・アップ型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

社屋の外観と企業見学会の風景
社屋の外観と企業見学会の風景

 当社は、平成18年6月に創業した若い会社です。所在地は、岡山県の北東端に位置する、人口が約1,500人の小さな村です。平成26年11月4日のテレビ東京の日経スペシャル「ガイアの夜明け」では、林業を軸に「百年の森林構想」と題し、西粟倉村での取り組みが放映されましたので、注目を集めている村でもあります。
 当社では、森林管理をはじめ、木材製材・加工と商品デザイン、製作、販売までを一貫して行っています。森林を都市部の子供たちに伝えるために、「森から子供の笑顔まで」をコンセプトとして、事業に取り組んでいます。家具や遊具も、保育園や幼稚園向けに特化し、スギとヒノキの間伐材を使用して製作するための細やかなノウハウを蓄積しています。
 当社の社風は、もともと「見て覚えなさい」ということでしたが、こうしたことは、現在の若い人には難しいことから、体系的な教育の仕組みが必要だと模索していました。そのようなときに、地元の商工会の経営指導員の方から、若者チャレンジ訓練ができたことに加え、ジョブ・カード制度を活用するための手続きなどについては、津山商工会議所の岡山県地域ジョブ・カードサポートセンターで支援していることを聞きましたので、早速、電話連絡したうえ、訪問しました。
 そこの訓練コーディネーターの方から、ジョブ・カード制度の詳細について聴いたところ、体系的な社員教育を実施できる内容であり、訓練生も、キャリア・コンサルティングを受けることによって、自覚を持って訓練に臨めることなどが分かりました。このため、当社でアルバイト勤務していた2人を訓練生として若者チャレンジ訓練を実施することにしました。
 当社でジョブ・カード制度を活用する目的としては、2人の訓練生に木工の知識や技能を習得させ、お客様に最大の満足を提供できる人材を育成するとともに、訓練生に自信と活力を身に付けさせることにより、雇用の安定を図ることとしました。
 当社が所在する西粟倉村から岡山県地域ジョブ・カードサポートセンターのある津山市までは、50㎞ほどの距離がありますので、訪問は1回だけとし、その後は、メールでやり取りし、申請の手続きなどを行いました。

2.具体的な取組内容

OJTの実施風景

 訓練の社内講師は、社長の私(=写真)と取締役工場長、中堅社員の3人が務め、OJT(1,720時間)とOff-JT(200時間)の合計で1,920時間とした14カ月間の若者チャレンジ訓練を実施しました。OJTとしては、家具製作と遊具製作の実習、Off-JTの学科は、職業能力の基礎講習と安全衛生、森林・木材の知識、設計の知識、能力評価、実技としては、設計と安全衛生としました。これらの実施に当たって大切なことは、訓練生の意欲と社内講師の熱意、指導力だと思います。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

商品のイメージ
商品のイメージ

(1)訓練生に対しては、ジョブ・カード制度の若者チャレンジ訓練を実施する旨の説明に窮しましたが、自分自身のキャリア・アップの必要性を十分に説明しましたので、何とか理解を得ました。
(2)訓練カリキュラムは、岡山県地域ジョブ・カードサポートセンターの訓練コーディネーターの方が作成した雛形と当社の目標とする社員像を突き合わせたうえ、訓練コーディネーターの方の懇切丁寧な指導により、目標に沿った訓練カリキュラムを作成できました。
(3)社内講師は、自分自身の業務を行いながらの講義と実習の指導には時間調整が難しかったのですが、1カ月ごとの計画を立てて調整したうえで実施しました。訓練生に対して教えなければならない必須科目を訓練の内容としましたので、思っていたほど苦ではありませんでした。また、他の社員にも積極的に協力してもらったお蔭もありましたので、実施できたのだと思います。
(4)訓練生には、訓練日誌(実施した内容、訓練の考察、感想)に記載するよう指導していましたが、訓練を終了した現在でも、引き続き記載させています。その日の反省点を記載させるようにしていますので、例えば、1年後に同じ業務に従事するときに読み返すことによって、必ずや役立つと思っています。このようなことを最初から実施していると、正規雇用した2人の元訓練生も苦にはならないと思います。

4.制度の活用による具体的な効果

 若者チャレンジ訓練を実施した感想は、以下のとおりです。
(1)訓練カリキュラムに盛り込んだOJTとOff-JTを通じ、経営者と訓練生の情報共有ができましたので、訓練の目標が明確になりました。
(2)オーダーメイドの木工製品などを製作できる職人になるまでには時間がかかりますが、若者チャレンジ訓練によって自社のニーズに合った有能な人材を育成し、確保することができました。
(3)訓練生は、訓練を受ける以前と比べると、当社が必要としている知識や技能が高まったことに加え、面談を定期的に行っていることにより、彼らの考え方の変化も感じることができたうえ、当社の社員としてだけではなく、社会人としての自覚の面でも成長できました。
(4)社内で変化したところは、社内講師が指導分野について勉強し直しましたので、自分自身も活性化できたことです。また、他の社員は、訓練生に対して補助的に指導や協力をしたことによって、先輩としての自覚が増したようです。
(5)若者チャレンジ訓練の終了後に国から支給される奨励金を活用したことにより、コスト負担の軽減にもなりましたので、ジョブ・カード制度は、とてもありがたい制度だと思います。

追記
 この原稿は、平成26年11月12日に津山商工会議所で開催したジョブ・カード普及促進フェア(企業などに対する説明会)での事例発表の内容を基にしてとりまとめたものです。

(平成26年12月現在)

若者チャレンジ訓練の概要

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有期実習型訓練の概要