企業から寄せられた声(文字情報)

地域ケア株式会社

会社概要

所在地: 三重県津市
業種: 医療・福祉
資本金: 1,000万円
従業員数: 30人
URL: http://www.tonomura-web.com/

訓練概要

訓練コース: 認知症介護員養成コース
職種: 介護職員
訓練生数: 5人(終了後に1人を正社員採用)
期間: 平成21年9月~11月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

地域ケア企業組合
ヘルパー2級講座(Off-JT)の様子

 当社は、平成16年1月に三重県知事の許可を受けて設立した介護施設を運営している企業です。
 従業員は30人で、このうち、介護福祉士は7人、ヘルパー2級が19人、看護師が3人、管理栄養士が1人います。
 「私たちは、利用者、その家族に、『感謝』『敬愛』『笑顔』を絶やさず、確かな安心と心豊かな生活を目指し、地域に密着した介護施設の運営をいたします」を経営理念に掲げ、認知症対応型共同生活介護と小規模多機能居宅介護の施設として、「グループホームとのむら」と「小規模多機能ホームとのむら」を運営しています。
 ここでいう「グループホーム」とは、大家族(1軒に9人ほどのお年寄りと職員数人が常時滞在)が共同生活を営みながら、家庭的な雰囲気で介護(生活支援など)のお世話を受けてもらうホーム(家)を表わしています。一方、「小規模多機能ホーム」とは、「住み慣れた地域の中で、自宅から『通い』『訪問』『泊り』を組み合わせて利用できる在宅サービス」のことをいいます。
 また、「専門的な知識と確かな知識や技能の習得を目指し、刻々と変化していく地域のニーズに対応する人材を育成する。認知症高齢者介護サービスのプロを目指す」ことを人材育成の基本方針としています。
 さらに、より良い介護施設の運営と地域交流の推進について介護保険制度を地域密着で利用できる環境を整備するため、約2カ月に1回の頻度で「運営推進会議」(地区の自治会や老人会の会長、ご利用者様の家族代表などがメンバー)を開催し、地域とグループホームの連携について話し合っています。主なイベントとしては、ふれあい料理教室(年3回程度の開催。季節の食材を利用し、お年寄りが簡単に調理でき、おいしく食べられるお菓子づくり)や地域の自主防災会と連携した防災訓練や啓蒙活動を実施しています。
 こうした状況のもと、当社では、津商工会議所の会員になっているため、毎月送付される「会報」に掲載されていたPR記事を読んでジョブ・カード制度の有期実習型訓練のことを知りました。当社は、規模が小さな企業であるために、介護の経験者の採用は、人的にも、資金的にも教育訓練に多大な負担がかかりますので、あきらめざるを得ない状況にありました。
 しかし、このPR記事を読むと、津商工会議所に設置されている三重県地域ジョブ・カードサポートセンターの支援を受けられることや訓練の終了後に国からの助成金を支給されることが分かりました。加えて、人材の育成に積極的な企業であることを対外的にアピールできると思いましたので、有期実習型訓練を活用することにしました。

2.具体的な取組内容

 当社の社長と看護師免許や介護支援専門員の資格を取得している専務取締役が責任を持って実施することにし、現場では、3年以上の実務経験を有している正社員が講師を務めました。
 OJTは272時間、Off-JTは136時間とし、合計408時間の有期実習型訓練としました。このうち、OJTでは、当社が大切にしている理念を中心とした接客接遇や基本的なビジネス文書の作成方法をはじめ、入居している方々への食事などやケア、排泄、移動、起床、就寝、入浴などの実技を中心に実施しました。また、Off-JTでは、訪問介護員養成研修2級の資格を取得できる外部の教育訓練機関での講習を受講させました。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

 当社の場合は、現場中心の業務に慣れることが必要なことから、OJTの割合が少なかったことや雇用・能力開発機構の認定(当時。現在は、都道府県労働局の「確認」)のための申請書類の作成に時間を要したために、訓練生の募集期間が短くなってしまいました。
 訓練生は、ハローワークで募集しましたが、なかなか応募がありませんでしたので、合同求人のチラシや行政機関が開催する様々な就職説明会に参加したり、求人広告を出した結果、予定していた採用人数を何とか確保することができました。
 このような経験を踏まえ、お客様を対象とした内容になっていた当社のホームページを「働きたくなる職場」を大きくイメージした内容にリニューアルし、求職者に関心をもってもらうように工夫しました。
 最も苦労したことは、Off-JTはある程度の人数が集まらないとコスト高となりますので、同業種で情報を共有したり、連携して人数を集めたことです。
 また、当社は規模が小さな企業ですので、固定した指導者の選定が難しく、間接的には全体を評価した指導はできますが、日常の業務では、介護の現場サイドでの指導がチューター制度のように1人をフォローとして担当させるのがよいのですが、実施したくてもできないのが現状です。

4.制度の活用による具体的な効果

 ジョブ・カード制度の有期実習型訓練を活用したことによって、訓練生と当社の双方にとっては、大変貴重な経験をしたと思っています。
 また、人材を育成するための研修体制をつくることができたうえ、何よりも訓練の終了後に国から支給された助成金によって訓練に係る経費を削減できたことは、大変良かったと思います。
 このように、当社では、三重県地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方の勧めもありましたので、有期実習型訓練を活用して介護の未経験者の採用に踏み切れています。この業界では、どうしてもヘルパーなどの資格を有した転職組が主流です。こうした中で、何色にも染まっていない未経験者を訓練生として採用し、じっくりと教育できることは、有期実習型訓練の魅力の1つだと思います。
 今期も、合計5人を新規採用しました。このうち、3人は、専門学校や高校を卒業したニートやフリーターだった若年者でした。他には、30代の女性を2人採用しましたので、現在、介護について猛勉強してもらっています。また、3年後には、国家資格の介護福祉士の資格を取得してほしいと思っています。
 当社としては、今後も、ヘルパーなどの資格を取得していないからといって、介護の分野での就職をあきらめている人を積極的に採用し、質の高いサービスを提供できる体制を構築したいと考えています。

(平成25年2月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要