企業から寄せられた声(文字情報)

有限会社水専

会社概要

所在地: 岐阜県岐阜市
業種: 建設業
資本金: 300万円
従業員数: 6人

訓練概要

訓練コース: 住宅設備修繕コース
職種: 一般事務員
訓練生数: 1人(終了後に正社員採用)
期間: 平成24年5月~8月
訓練種別: 有期実習型訓練(基本型)

1.制度の活用に取り組んだ目的

有限会社水専
職業能力開発校での作業実習

 当社は、岐阜市の北部に位置する事業所で、7年前に現社長が事業を引き継ぎ、設備工事業の業務を拡大したために従業員を新たに雇入れ、幅広く事業展開しています。
 当社では、建設業でありながら、サービス業の精神をモットーに、お客様に安心を提供することを常に心がけていることはもちろんですが、お客様から寄せられる悩み相談からペットの捜索、ハチの巣の駆除に至るまで、たとえ業務以外の依頼でも丁寧に対応し、常にお客様を大切にした地域密着型のサービスを展開しているのが特徴です。
 また、社員に対しては、個性を尊重し、自らの強みを伸ばすことや明確な目標を持たせることによって、常に目標達成に向けて努力する姿勢を持つように教育しています。
 当業界は建設業であり、当社の立地エリアや勤務条件などから人材が集まりにくいのが課題のひとつです。これまでも、ハローワークや有料の求人情報誌を活用して社員の募集を継続的に行ってきたものの、問い合わせが少なく、慢性的な人材不足に陥っている状況にありましたので、困っていました。
 そんな折、社長の卒業した美濃加茂市内にある岐阜県立国際たくみアカデミーという職業能力開発校を訪ね、恩師である職業訓練指導員に人材不足の解決策について相談した際に、学校の近くにある美濃加茂商工会議所に設置されている美濃加茂地域ジョブ・カードサポートセンターを紹介してもらいました。すぐに制度普及推進員の方に当社まで来てもらい、ジョブ・カード制度の内容について詳しく説明してもらいました。
 それまでは、国の助成金を活用した経験がなく、計画を立案することはもちろん、申請書を作成した経験もありませんでしたから、当社にできるかどうか不安がありました。しかし、優秀な人材を効率よく育成できるうえ、低コストで実施できるのであれば、やってみたいとの思いもありました。協力教育機関である岐阜県立国際たくみアカデミーのバックアップと美濃加茂地域ジョブ・カードサポートセンターの制度普及推進員の方のサポートを受けられるのであれば、チャレンジしてみようという決意が固まり、不慣れではありましたが、制度普及推進員と一緒になって一生懸命に訓練実施計画の作成に取り組みました。

2.具体的な取組内容

有限会社水専
OJTの実施風景

 特に訓練カリキュラムについては、美濃加茂地域ジョブ・カードサポートセンターの制
度普及推進員の方からプランの提案を事前
に受けましたので、現場で求められる能力を伝え、岐阜県立国際たくみアカデミーとも綿密に打ち合わせをしながら、実践的な訓練実施計画を作成しました。
 OJT(実習)では、「現場工事補助」を大項目として、業界で必要とされる知識や基礎技術の習得を「職務または教科の内容」に取り入れました。
 また、Off-JT(座学)では、「オリエンテーション」「営業基礎スキル」「設備に関する技術と知識の習得」「給排水設備の施工総合演習」「試験」を「職務または教科の内容」に取り入れました。具体的には、別添の「有期実習型訓練の概要」のとおりです。
特にOff-JT(座学)の「設備に関する技術と知識の習得」に関しては、協力教育機関である岐阜県立国際たくみアカデミーの外部講師に依頼し、89時間にわたって知識と技術についてマンツーマンでじっくり学ばせましたので、とても効果があったと思います。
 訓練は、原則として就業時間内に行いましたので、当社から岐阜県立国際たくみアカデミーへの移動時間が1時間程度かかってしまうのは、訓練生にとっては少々辛かったと思いますが、整った設備と優秀な講師や職業訓練指導員から厳しくも温かい指導を受けられる環境は、何事にも代え難く、最高ではなかったかと思います。

3.阻害要因とそれを乗り越えるための工夫

(1)当初は、OJT(実習)は社長自身が主に指導講師を務めて実施する計画でした。しかし、その日の現場の状況では、指導講師に就けない場合も想定されましたので、事前に現場主任をはじめ複数の社員に指導講師を任命し、社長の指導業務を軽減するように工夫しました。
 その結果、社長は、訓練期間中も本来の業務に専念することができました。

(2)労働局からは、Off-JT(座学)に関する実施風景の記録写真を毎日2枚ずつ撮影し、助成金の支給申請時に提出するよう指導を受けました。
 しかし、当社から岐阜県立国際たくみアカデミーへは1時間程度かかってしまうため、困っていたところ、美濃加茂地域ジョブ・カードセンターの制度普及推進員の方が訓練の様子をみながら記録写真を撮影してもよいとの提案があり、そのとおり実践してもらいましたので、申請書類を作成するうえでとても助かりました。

(3)中間ならびに最終の試験の実施に際しては、技術的な試験は専任の講師が取りまとめ、岐阜県立国際たくみアカデミーに実施してもらいましたので、スムーズに進みました。しかし、専門知識の習得度合いを測るための筆記試験については、社長自らが隙間時間を利用しながら、1週間以上かけて訓練内容に関連したオリジナル問題を約400問作成し、中間ならびに最終の試験の2回にわたって実施しました。
 訓練生の知識の習得度合いを確かめる意味での筆記試験でしたが、問題数の多さには訓練生も圧倒されつつ、予習と復習に余念がなく、一生懸命に勉強したことで、訓練終了後に正社員として担当した業務では、大いに役立つ結果となりました。

4.制度の活用による具体的な効果

 今回のジョブ・カード制度の有期実習型訓練を実施しての感想は、以下のとおりです。

(1)しっかりした訓練実施計画のもと、時間をかけた質の高い訓練と多くの講師の多様な価値観に触れたことによって、訓練生の意識が高まり、訓練期間中はもちろんのこと、正社員化の後でも勤務態度が良好でしたので、安心できました。

(2)建設業では、事務の担当者と現場のコミュニケーションが希薄になりがちですが、OJT(実習)を現場主任に託せたことで、訓練生が現場サイドの従業員と緊密なコミュニケーションを取ることができましたので、社内の雰囲気も良好で、事務の担当者と現場が助け合う空気が醸成されました。

(3)新入社員に対して「誰が、何を、どれくらいの時間で教え、効果をどのように計測するのか」といった当社の教育体制を構築できましたので、企業全体の人材育成のレベルアップに大いに役立ちました。

(4)訓練に対する国からの助成金によって人材育成に必要なコストを軽減できたことも大きなメリットですが、国から助成金を受給できるという自信が持てたことと支給申請のノウハウを得られたことも、大変大きなメリットだったと思います。

(5)今回の有期実習型訓練の活用を契機に、就業規則や賃金規程の改訂をはじめとした職場環境を改善し、当社の社員が生き生きと働く職場へと生まれ変わる第一歩を踏み出す好機となりました。

 現在、ハローワークで新たに3コースの訓練生を募集しており、これからもジョブ・カード制度を積極的に活用した正社員雇用に役立てていきたいと思います。

(平成24年10月現在)

有期実習型訓練の概要

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有期実習型訓練の概要